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2013年11月

東 京 一 極 集 中 の 緩 和 を 期 待




東京都市圏の人口は、3千万人を優に超え、その都市圏人口の規模は、断トツで世界1位という。日本は既に人口減少に転じ、地方では多くの市町村が更なる人口減に苦しむ中、東京とその近郊だけは今なお地方からの人口流入がひたすら続き、更なる人口増である。ありとあらゆる魅力が過度に東京に集まり、人も企業も東京に群がり、異常なまでの人・物・金の一極集中が続く。

それと引換えに、地方は、過疎に悩み、活力も失われ、廃れる一方である。あまりに国土不均衡発展である。東京へ出て行くのはその人・企業の自由だが、それにより残された寂れゆく地方のことも、少し考えてもらえないだろうか。もちろん地方も東京も持ちつ持たれつの関係とは言え、福島の苦しみ一つとってもそうであるが、地方の犠牲なくして東京の繁栄はない。

しかも、出生率では東京は全国で最小、神奈川千葉埼玉も極めて低い。また、東日本大震災を教訓に、リスクヘッジで東京から地方への分散が叫ばれ、数々の企業が地方へ機能を移転をしているという動きも、しきりに報道された。にもかかわらず、実際には、直近の統計をみても、東京圏だけは今なお異様な人口増だ。東京で未曾有の大災害が起きる可能性が指摘される中で、あまりに危ういのではないか。
 ちなみに、他の大都市圏はどうかと言うと、名古屋圏は転入超過はわずかで、大阪圏に至ってはここ30年ほぼ毎年転出超過だ。いかに東京圏一人勝ちかが良くわかる。
 東京の過密と地方の過疎、これ伴う様々な弊害は古くから指摘はされてはいるが、実際には、その格差は、是正に向かうどころか、ただひたすら悪化・拡大の一途である。

 
もはや地方の社会は、過疎どころか、崩壊しつつある感がある。
 今後日本は、百万・千万の規模で人口は減っていき、無論東京圏も人口は減っていくが、転入超過で減少はゆるやか。一方の地方は、社会減に自然減で、より人口減少に拍車がかかり、限界集落はおろか、存続不能となる市町村も続出するだろう。より一層の東京一極集中が進むことが危惧される。



 東京への資本の集中投下

戦後、日本は、国策で、太平洋側、とりわけ東京への、ありとあらゆる投資の一極集中が続いた。その結果、確かに国全体としては大きな潤いをもたらしたが、決定的なまでの地域間格差を生んだ。しかも今なお、その差は日々拡大している。そんな中、さらに拍車をかけるかのように、国を挙げての東京五輪誘致である。どうなってんだか。東北五輪・名古屋五輪・大阪五輪・広島長崎五輪を誘致、というならいざ知らず。ましてや東京は度目である。未開催で、誘致したい都市は世界にいっぱいあるだろうに。「復興」とは名ばかりで、これを期に、東京への投資が更に集中するのは明らかで、より一層すさまじい国土のゆがみを生むことだろう。

国家戦略特区も、世界を見据えて、国際的な経済競争から生き残るには、国家として必要なビジョンなのだと思う。しかしながら、戦後日本が歩んできたのと同じように、結局は東京一極集中で国を富ませよう、という方向にだけは進まないことを望むばかりだ。



  地方の道路は無駄か?

地方で道路を作れば、「無駄な公共事業だ」、と、しばしば東京発の全国報道でたたかれる。しかし、言わば国策で国土軸から外され、東京へ人口を供給し続け、あらゆる事物は後回しにされ続け、地域社会の停滞・疲弊に悩みながらも、ようやくまわってきた道路の番なのに、という地域も少なくないだろう。これらは日本全体、とりわけ東京の発展のために、捨石にされてきたようなものだ。

先行投資が進んだ地域は大きく潤い、加速度的に街は発展してきた。一方で後回しにされてきた地域はさっぱり。それなのに、「現在の日本は借金大国。人が少ない地方の道路は無駄。作らない」というのでは、あまりに議論が乱暴すぎないか。
  基幹となる高速道路を取巻く、二重三重の更なる高速道路網の整備も進む地域がある一方で、いまだに県土の軸に高速道路が全通してない県も複数ある。いくらなんでもかわいそうだ。

仕事がないと人口は定着しない。そのため、例えば企業を誘致するにも、高速道路がないと、企業はなかなか来てくれないだろう。こうした社会資本整備が遅れると、結果、ますます人が流出する。
  一方で地方には、例えば原発のような厄介な必要悪だけは、当たり前のように押しつけられてきた。沖縄の基地もそうだろう。地方は負のスパイラルである。長年に渡り恩恵を受け発展し続ける、いいとこ取りの地域がある一方で、地方は、疲弊を強いられる上に道路一つで悪者にされては、全く釣合いがとれない。

しかも地方の道路は、東京よりもはるかに低予算で作ることができる。極端な例ではあるが、建設中の東京外環道の関越東名間は、地下に通すことになったため、わずか16km13千億円かかるそうである。桁がおかしいのではと目を疑いたくなる。わずか1m進むのに8千万円(!)かかる計算だ。想像を絶する。確かに必要性の高い重要な道路であるが、地方とは違い、それだけお金もかかるということである。もしこれだけの予算があれば、地方なら何百kmも高速道路が作れるだろう。地方の道路はスカスカかもしれないが、実際には、東京も地方も、どっちもどっちである。少なくとも地方の公共事業だけが悪ということはない。
 まして、
公共サービスは、単純に市場原理だけで論じられるものではないだろう。たとえ利用者が少なくとも、後塵を拝した地域を、せめてこれから良くするために、必要なものは必要である。

 
(ちなみに、北陸新幹線の敦賀-大阪間を、若狭ルートで建設した場合、約130km95百億円ほどかかるとされている。このルートは、1971年制定の基本計画に沿うものだが、建設費用があまりにかかるのが難点とされる。ただ、湖西ルート・米原ルートも一長一短で、40年以上経った今なお、未着工どころか、ルートすら決まらない状況である。国土の軸になる新幹線という国家を挙げた長年の超巨大プロジェクトでもこうなのに、前述の、わずか16km13千億の道路とは、いかに破格かが良くわかる。 ・・ちなみに、個人的には、現在の流動に一番沿っていて、ほぼ最短、需要予測も最大で、今まで通り京都駅も通る、湖西ルートで造ってほしいですが、決まらず遅れるなら、もうどのルートでもいいので、一日も早く大阪まで全通してほしいです。金沢開業のままでは、北陸新幹線は、東京一極集中に加勢するだけの、ろくでもない新幹線になってしまいます。)


  「一票の格差」の疑問

一票の格差であるとか、待機児童の問題であるとか、脱法ハウスだとか、日本列島の過密・過疎に伴う様々な問題が叫ばれている。もちろん問題は問題として解決に向かうよう努めるべきであるが、しかしながら、人口の流入する地域と流出する地域がこれだけ明瞭に分かれていると、致し方ない面もある。素朴な感想であるが、そんなに不満であれば、地方へ帰れば良いのではないか。いくら何度と格差を是正しようとも、これだけ東京圏へと異常に人が流れてきては、またすぐに格差や問題が発生して、何の根本の解決にもならないのではないか。なぜかこの点については何も語られないが、どこか、大きな矛盾を感じざるを得ない。


  テ レ ビ  関東ローカル?
 テレビをつければ、栄華を極める東京の、ごくローカルな話題が、頻繁に全国放送で流される。皆さんお馴染みと言わんばかりに、東京の細かい地名を挙げて「○○にある、なになにという店が・・・」と電波に乗せたところで、1億の地方住民にとっては何のことやら。全くもって蚊帳の外だ。全国放送に耐えうる価値のあるものであれば話は別だが、実際にはどうだろうか。これらの放送が、地方住民に何ともいえない疎外感を与え、またこれで東京へ東京へと人が流れていく。個人的には、これも、東京一極集中を生んでいる、ばかにできない要因ではないかと思う。


  アメリカは

何でもアメリカが良い、と言う訳では決してないが、ここではアメリカを好例に挙げる。

アメリカでは、日本のような過度の一極集中はみられず、最大の都市とは別に首都を構え、名だたる大企業も全米に散在し、それでいて今なお世界一の大国であり続けている。

例えば、我々日本人にも馴染みがあるシアトル市は、アメリカ本土の北西端に位置し、緯度では北海道より北にある。見方によっては、全米の中では偏狭の地と言えなくもないのかもしれない。交通利便も必ずしも良くはないようだ。市域の人口も60万人余りで、さほど大きな都市ではない。しかしながら、マイクロソフトやアマゾン、スターバックス、コストコ等、世界で事業を展開する大企業がこの地に本拠を構えている。(ボーイング社も当市発祥で、2001年にシカゴへ本社を移転したが、長く市を代表する企業として街の発展に大きく寄与してきた。)

世界に打って出るこれら大企業が、ニューヨークではなく、地方都市に本拠を構えたまま頑張っているのが、その点では、アメリカっていいな夢があるな、とちょっと思う。これが日本の企業であれば、会社が大きくなると、さも当然のように本店を東京に移してしまう。莫大な税金もバンバン東京に落ち、東京一人勝ちに加担している。単純な比較はできないにせよ、アメリカでは地方都市で成り立っているものが、なぜ日本では東京なのか。大企業は最大の都市にいなければならない、というのは、必ずしも当然のビジネスモデルではないのではないか、素朴にそう思ってしまう。実際、専門家の話によると、世界的には、大企業は地方に本社を構えている方が、むしろスタンダードのようだ。


  地方へ回帰を   

確かに、東京へ出る必要性やその一定の効用があるのは否定しないが、また、この資本主義社会にあって、地の利も生かし、栄枯の差が生じるのは、ある程度は致し方ないことではあるが、しかしながら、日本の国土の大半が過疎で寂しい思いをしている一方で、東京とその近辺だけが異様に繁栄し続けるという、この著しい国土不均衡発展は、もはや看過できるものではない。猫も杓子も東京に飛びつく、東京一辺倒の世の風潮は、いくらなんでも、やや度が過ぎはしないだろうか。そんなにも東京にいないと生きていけない、なんてことは、実際にはそうそうないと思うが。地方という影の部分は、どうなってもいい、と言わんばかりの人口移動である。
 しかも、東京へ出ることが変に美化され正当化される。もちろん、地方ではなく東京で活躍すべき立派な方も沢山おられるのは確かである。しかしその他の多くの場合は、地方へ戻ってきてもらいたい、というのも、一つの本音である。
 また、東京がこんなに流入ばかりで、過密が進む一方で住みにくくなっては、先祖代々の、生粋の江戸っ子の皆さんにとっても、う〜ん・・・という感じではないだろうか。
  こんなことを書いたところで、支持は少なく、了見の狭い異端の論であることも承知しつつ、それでも、もう誰かが言ってもいいことだと思う。

とにかく、東京の超過密と地方の過疎、この極端な現状の緩和が必要である。そのため、首都機能移転も早期の実現を期待したいし、今までことごとく失敗してきた地方分散の国土政策を今こそ推進実現し、一極集中に歯止めをかける必要がある。
  そして何より、地方から東京へ出て行った人も企業も、できることなら
地方に回帰してもらえないだろうか。地方は大歓迎である。
  東京で、わざわざ自分の出身地の方言を話す人もおられるが、そんなに地元思いなら、東京にいないで、是非地元にUターンしてあげて下さい。

東京にいて郷土愛を語られても意味はない。一人でも多くの人が地方で毎日を暮らしてくれたらそれだけで良いのである。東京の過密も地方の過疎も改善され、解決に向かう問題も多いことだろう。

東京一極集中から多極分散へ、正にこれこそ日本再生の切り札である。